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歯周病治療

歯周病とは

歯周病は大きく2種類に分けられます。歯を支えている歯ぐきなどの歯周組織だけに炎症が起きている段階を「歯肉炎」といい、そこからさらに進行し、歯を支える顎の骨が溶け出してしまった段階を「歯周炎」といいます。歯肉炎はプラーク(歯垢)や歯石を除去し、正しいブラッシングを行うことで改善しますが、歯周炎はさらに治療が必要です。放っておくと歯が抜け落ちてしまうことにもつながりますので、早期発見・早期治療が大切です。

こんな症状は歯周病の可能性があります

  • 歯磨きで歯ぐきから血が出る
  • 口臭が気になりはじめた
  • 特に起床直後は口の中がネバネバする
  • 歯ぐきが赤く腫れてブヨブヨしている
  • 硬い食べ物が痛くて噛めない
  • 歯がグラグラと動く
  • 歯と歯の隙間が大きくなったような気がする

歯周病による全身への悪影響

歯周病はお口まわりだけの病気のように思われがちですが、さまざまな全身疾患とも関係しています。お口の中で歯周病菌が増えると、歯周病菌そのものや歯周病菌がつくり出す毒素が血液に入り込みやすくなるので、全身に広がり、病気の発症や悪化を促す可能性が高まります。たとえば、心疾患・脳血管障害・肺炎・糖尿病などに注意が必要です。また妊娠中の方が重篤な歯周病になってしまった場合、早産や低体重児出産のリスクが通常の7倍にもなるという報告がある程です。

歯周病菌について

歯周病菌3菌種 Red Complex

歯周病を起こす細菌は歯肉縁下に存在し、その細菌は3階層に区分された6つのプラーク細菌グループに分類されています。グループはそれぞれ色分けされ、歯周病原性の違いによってピラミッド社会をつくっています。病原性の高い菌や低い菌はさまざまですが、一番強い菌とされているのが「レッドコンプレックス」と言われている3種類(P.ginngivalis, T.denticola, T.forsythensis)の菌です。特にP.ginngivalis(通称:PG菌)は、歯周病になりやすいだけではなく悪化しやくなると言われています。

PG菌とは

PG菌は、赤血球のヘモグロビンなど「鉄」を好み、歯肉出血のある部位などに発生しやすい細菌です。PG菌だけではそれほど強い病原性はありませんが、プラーク(歯垢)が増えてバイオフィルムが形成されると、より悪性度が高くなると言われています。また、PG菌は粘膜などの細胞や血管内に侵入することができるため、血管内に侵入したPG菌が血流により全身へ運ばれ、心臓弁や動脈、肝臓などの臓器にも影響を及ぼすなど、全身疾患への影響も指摘されています。

当院ではPG菌を数値化する検査「オルコア」を導入しています。

当院では、PG菌を数値化する検査「orcoa(オルコア)」を導入しています。オルコアは45分という短い時間で簡単に行うことができるPCR検査(遺伝子検査)です。検査結果は数字やグラフを使用して分かりやすくご説明し、結果に合わせた適切な歯周病治療・予防法をご提案いたします。
検査料:5,500円(税込)

歯周病の進行段階

  1. 初期段階

    自覚症状はまだほとんど現れません。歯肉が赤く腫れ、ブラッシングの際に出血することがあります。歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)の深さは4mm以内で、歯肉炎の段階です。

  2. 第2段階

    歯肉だけでなく歯を支える顎の骨にまで歯周病菌の炎症が進んでしまった状態です。歯ぐきからの出血があり、歯がグラグラします。口臭も気になり出します。歯周ポケットの深さは4~6mm程度で、初期から中等度の歯周炎です。

  3. 第3段階

    歯周ポケットの深さが6mm以上となった重度の歯周炎です。歯肉が赤く腫れ、触ると痛みます。顎の骨がさらに溶けて歯が大きくグラつき、そのまま放置すると歯が抜け落ちてしまうことにつながります。

包括的歯周病治療を実践しています

歯周病の治療では、まず歯周基本治療を行います。歯周基本治療では、プラークや歯石の除去や歯のクリーニングの後に、正しいブラッシングを行い経過を観察します。一定期間が過ぎても歯周病の症状が改善しない場合に行うのが、歯周外科治療です。また歯並びや噛み合わせをチェックして、歯周病を引き起こす要因がないかを調べます。歯周病になってしまった原因を追究して改善をはかり、お口全体の健康を保ち、再発を防ぐことにつなげています。

歯周病の原因

歯周病は再発しやすい病気です。そもそも歯周病にかかるのには理由があります。たとえば、噛み合わせが悪くて強く当たる部分があると、そこに負荷がかかり歯周病にかかりやすくなったり悪化させてしまったりします。ブラッシングのクセがあり、汚れがたまりやすい部位がある、生活が不規則で免疫力が低下しがち、糖尿病などの全身疾患があるなど、歯周病に関連する可能性がある要因はさまざまです。一部分の歯周病治療を行っても原因を改善しないかぎり、また再発しやすいのはそのためです。私たちは病気の原因を追究し、総合的な見地から治療を進めていきます。

歯周外科治療とは

歯周基本治療後も、歯周病が改善しない部位がある場合には歯周外科治療を行います。これは歯根や歯を支える顎の骨の処置です。

歯周外科治療の目的

  • 歯周基本治療では除去しきれない、歯と歯ぐきの溝(歯周ポケット)の奥深くのプラークや歯石を取り除く
  • 深い歯周ポケットを浅くする
  • 歯を支える顎の骨の形を整え、汚れがたまりにくくする
  • 下がってしまった歯ぐきを回復する
  • 不ぞろいな歯ぐきのラインを整える

治療法について

フラップ手術

麻酔後、歯肉を切開して歯根部位を露出させて感染部位や歯石を目視しながら除去します。フラップ手術は歯周炎の外科的治療法で、時間は1時間程度が目安です。歯周病菌に感染した部位をしっかり取り除き、歯肉を縫合して歯周病の進行を抑えます。

再生療法

歯周病の進行により歯を支える顎の骨が溶かされていきます。病気の進行を抑え、歯を支える顎の骨の再生を促すのが再生療法です。再生療法には「エムドゲイン」「GTR法」などがあります。歯周病の感染部位を除去したあと、「エムドゲインゲル」を注入する、または「メンブレン」という特殊な生体膜を挿入して、歯周組織の再生を促します。